題名先行?

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夏野剛「グーグルに依存し、アマゾンを真似るバカ企業」読了。
毎週1冊読んでいる新・平家物語が予想外に早く読み終わったので気分転換に。
(ちなみに新・平家物語は10/19現在で12冊読み終えた)

最近の本、特に新書はタイトル重視なものが多い。
(雑誌PRESIDENTもそうだけど)
確かに毎月多くの新書が発売される中でベストセラーを叩き出すにはインパクトが必要かもしれないが。
この辺の流れは「バカの壁」辺りから来たのだろうか?

さて、この本自体は2009年に発行された本なので、多少内容が陳腐化しているがITバブルやWeb2.0真っ只中の頃に書かれたものよりは近年を反映しているように思われる。
ただ内容はグーグル依存・アマゾン模倣というよりはそれ以前のITリテラシーの低い企業(及びその経営陣)に対する警鐘が主な内容となっている。
また、基本的な姿勢として日本でウェブビジネスやEコマースが一部を除いてほぼ失敗している模様を示している。
個人的には最近農家が栽培した果物を直売しているサイトや島根のお菓子のお取り寄せなどを見ているとそんなに失敗しているようには見えないのだが、それはあくまで見えている部分で失敗作が見えないところでたくさんあるのだろう。
失敗しないための秘訣についてはこの言葉が象徴しているように思える。

既存の商店から、ウェブでも事業を始めたい、と相談を受けた際、私は必ずこう言うことにしている。
まずは、リアルの世界でやっていることは、すべてウェブでもやってください
その上で、ウェブは実店舗でできないようなことがたくさんできるので、それを志向してくださいと。

ウェブだから新しいことをやらなければならない、ということはないと思う。また、逆にウェブだから何もしなくていい、ということもないと思う。商品の写真を並べて「はい、買いなさい」ということには現実の店舗ではならないだろうし。
そういう意味ではAppbankの商品紹介はいいと思う。Appleのアクセサリについて写真を見せるだけでなく、YouTubeで撮影した動画により、どのような特徴があるかレポートさせる。その結果として商品購入ページに誘導させる、と。
機能と効果、購入者にとって何が嬉しいかを使ってる目線で伝えているのはいいと思う。

今後はこういった様々なメディアを組み合わせたEコマースの形態が増えていくのではないだろうか。そしてそれに合わせたシステムを開発していくことになりそうな気がする。

iモードの課金が上限300円(税抜)だった理由も書いてあります。
会社にシステムを提案していく側は読んでおくと提案する相手の傾向の一端が見えるかもしれません。
(そんな極端な人ばかりではないと思いますけどね...)