出来るまでやる

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永守重信「情熱・熱意・執念の経営」読了。
日本電産の社長自らが語る経営の本です。

永守さんと言うとその発言がかなり注目されます。
例えば、昨年のオリンピック後の人事やら、早飯採用やら。
大声採用に至っては完全に論理無茶苦茶ですが、それでも素晴らしい人材が集まったとか。
(デキる人は声が大きいことはあるかもしれないが、声が大きい人がデキるとは限らない)
まぁそこから振るいにかけられて(もしくは成長して)大人物になったのかもしれませんが、発想はとても面白い。

本書の中にも「さすがに無茶言うなぁ」と思わせる反面、「確かにね」と思わせる部分もあります。
前者は主に「人事」について、後者は「ベンチャー」や「M&A」について。
やはり自身が資金繰りなどに苦労されているだけあって、一言が非常に重い。
そして、会社が成長していくことに至上の喜びを抱いていることを感じるのです。
また、営業が「三職三P」を経験させる、ということも共感を持ちました。
これは営業・経理・生産管理の3つの職と3か所の拠点(Place)で働くことを指しているらしいのです。
曰く、

営業担当者は必ずしも理工系の出身者である必要はありませんが、単にお客様とセールストークができるだけではなく、開発や技術のスタッフとやり取りができるように、自社製品や工場のこと、会社のことを幅広く知ってもらう上でも、「三職三P」の経験が必要となります。

私の業界は工場で生産を行うものではありませんが、開発を行うという点では営業にとっては同じようなものです。
そしてIT業界(またはICT業界)では少なからず開発の知識がないと営業していくには厳しい。
特にソフトウェアの場合目に見えるものを作っているわけではなく「人の技術」を売るのでとても難しいと思います。
現にお客様とのセールストークが得意で入ってきた人は他の業界(どちらかと言うと目に見えるモノを売る仕事)に転職することが多いです。
ただ、この見えないモノを売るにしても、開発の工程などを理解することによってより説得力のある提案を顧客にすることができます。
我が社の営業の1人も「営業だけを純粋にするだけだと顧客になめられる」と言っていました。
「自分の言葉で」提案することができる営業が今後は必要なのでしょう。

1ページに1トピックが書かれており、さらっと読めてしまいます。
タイトルの通り情熱のこもったアツイ社長の言葉です(多少暑苦しいところもありますが...)。
自分が日本電産に入ったら、と言ったことは考えないで読んだ方がいいです。その方が氏の言葉がすっと入ってくると思います。